託す育児

鳥のカッコウは托卵する。他の鳥の巣に卵を産み、育てさせる。この事を知った時、私は「カッコウは産むだけでずるい」と、率直に思った。しかし、カッコウカッコウとして生きている。保育的なことをしないでもカッコウいう種は生き続け、つながっている。だからいいんだ、と私は一人納得している。

 

人は、あまりこういうことをしない。と、思っていたが、色々な場面で人に託そうという気持ちが無意識に働くようになっているのではないか。経済活動、つまり仕事で金銭を得ている人々が育児に直面したとき、それは如実に現れる。経済活動と育児を天秤にかけて、育児を誰かに託そうとする。

 

託すと言っても色々あり、託さないという選択をする場合も多い。私は、子供を授かった時に、人に託すのは、嫌だ、自分で育てたいと思った。保育園で手慣れた保育士に効率よく育児をこなしてもらうより、自分なりに苦労や工夫をしながら人を育てていくということに、生きる希望があると感じたからだ。経済活動はパートナーに任せることにした。

 

保育園不足という報道が大変多く聞かれ、少しずつ保育の環境も変わってくるのだと思う。だが、育児を託すかどうかは個人の選択にかかっている。カッコウカッコウであるように。